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塵界
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じんかい
ふりがな文庫
“
塵界
(
じんかい
)” の例文
俗念を放棄して、しばらくでも
塵界
(
じんかい
)
を離れた心持ちになれる詩である。いくら傑作でも人情を離れた芝居はない、理非を絶した小説は少かろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
むかし
呂洞賓
(
りょどうひん
)
という仙人は、仙道成就しても天に昇ったきりにならずに、何時迄も此世に
化現遊戯
(
けげんゆげ
)
して
塵界
(
じんかい
)
の
男女
(
なんにょ
)
貴賎を点化したということで
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
法皇様はいっさい
塵界
(
じんかい
)
と交渉を絶っておいでになる御生活ぶりですから、御相談事などは申し上げられないでしょう。
源氏物語:40 夕霧二
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「ここに
焚
(
た
)
く火の
烟
(
けむり
)
なりけり」で、日々やっていることのうちに理想が含まれてある。またこれを養うに遠方にゆき
塵界
(
じんかい
)
を去らねばならぬものでない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
人為では、とてもそんな真似は
覚束
(
おぼつか
)
ない、
平生
(
へいぜい
)
名利の
巷
(
ちまた
)
に
咆哮
(
ほうこう
)
している時は、かかる念慮は起らない、が一朝
塵界
(
じんかい
)
を脱して一万尺以上もある天上に来ると、吾人の精神状態は従って変ると見える。
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
▼ もっと見る
われわれは山へ
引
(
ひ
)
っ
込
(
こ
)
むもよい、
塵界
(
じんかい
)
を去るもよいが、それが理想を養う必要条件では断じてない。理想は心の
作用
(
さよう
)
である、実際は身体の作用である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
清閑の池亭の
中
(
うち
)
、仏前
唱名
(
しょうみょう
)
の
間々
(
あいあい
)
に、筆を執って仏
菩薩
(
ぼさつ
)
の
引接
(
いんじょう
)
を
承
(
う
)
けた善男善女の
往迹
(
おうじゃく
)
を物しずかに記した保胤の
旦暮
(
あけくれ
)
は、如何に
塵界
(
じんかい
)
を超脱した
清浄三昧
(
しょうじょうさんまい
)
のものであったろうか。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼らがこの矛盾を
冒
(
おか
)
して
塵界
(
じんかい
)
に
流転
(
るてん
)
するとき死なんとして死ぬ
能
(
あた
)
わず、しかも日ごとに死に引き入れらるる事を自覚する。負債を
償
(
つぐな
)
うの目的をもって月々に負債を新たにしつつあると変りはない。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“塵界”の意味
《名詞》
塵界(じんかい)
塵のような汚れた世界。
(出典:Wiktionary)
塵
漢検準1級
部首:⼟
14画
界
常用漢字
小3
部首:⽥
9画
“塵”で始まる語句
塵
塵埃
塵芥
塵塚
塵紙
塵取
塵除
塵溜
塵芥箱
塵労