“堤(づゝみ)” の例文
此(こ)の按摩(あんま)杖(つゑ)を力(ちから)に、川(かは)べりの水除(みづよ)け堤(づゝみ)へ来(く)ると、杖(つゑ)の先(さき)へ両手(りやうて)をかけて、ズイと腰(こし)を伸(の)ばし、耳(みゝ)欹(そばだ)てゝ考(かんが)えて居(ゐ)る様子(やうす)、——と言(い)ふ。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
我れ幼年(えうねん)の頃(ころ)はじめて吉原を見たる時、黒羽二重に三升の紋つけたるふり袖を着(き)て、右の手を一蝶にひかれ左りを其角にひかれて日本堤(づゝみ)を往(ゆき)し事今に忘(わすれ)ず。
「ツイ十日ばかり前から、荒川堤(づゝみ)で狐の嫁入がチヨイチヨイおこなはれるんですよ」
我れ幼年(えうねん)の頃(ころ)はじめて吉原を見たる時、黒羽二重に三升の紋つけたるふり袖を着(き)て、右の手を一蝶にひかれ左りを其角にひかれて日本堤(づゝみ)を往(ゆき)し事今に忘(わすれ)ず。