城壁じょうへき)” の例文
そういうくせがひどくなると、しまいには、後庭こうていの大きな木によじのぼったり、城壁じょうへきの上にのぼったりするようになりました。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
『ラジオ界』などという小さい城壁じょうへきにたてこもることが許されなくなる。一にもラジオ、二にもラジオで、結局、世界はラジオ漬けになるであろうよ。
十年後のラジオ界 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
この古い石のおしろ城壁じょうへき堅固けんごなうえに、ネズミの通れるような道がほんのわずかしかありません。
と、ほかの雑兵ぞうひょうには目もくれないで、まっしぐらに、武者走り(城壁じょうへき細道ほそみち)をかけぬけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この男は美しい若い妻のことでも考えていたのでしょうか? 毛皮と高価な肩掛かたかけでかざられたラクダが、この男の妻を、美しい花嫁はなよめを乗せて、町の城壁じょうへきのまわりを歩いたのは
「真に人に接して城壁じょうへきもうけず一視同仁いっしどうじん的の愛情の深い人だ」という。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
が博士は、すこしもひるむことなく、城壁じょうへきの崩れかけた斜面しゃめんに足をかけ手をおいて、登りだした。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
外はまっ暗な夜でしたが、不思議なことには、ほの白い一筋の道が森の方へ通じています。その道を歩いてゆくと、ちょうど土手どてでも乗り越すように、高い城壁じょうへきをもわけなく越せました。
夢の卵 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
スコーネには、りっぱなおしろがたくさんそびえたっています。けれども、むかしから名高いクッラベルイの山壁やまかべにくらべられるような、すばらしい城壁じょうへきを持っているものは一つもありません。
二つの浮船の行手間近かに聳え立つは荒涼こうりょうとして死の国の城壁じょうへきかと思わるる月陰げついんの地表である。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
足下あしもとには、広いしろ玩具おもちゃのように小さくなって、一足ひとあしまたげそうでした。にわもり城壁じょうへきほりなどが、一目ひとめに見て取れて、練兵場れんぺいじょう兵士へいしたちが、あり行列ぎょうれつくらいにしか思われませんでした。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
城壁じょうへき聖者せいじゃ
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)