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唐桟柄
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とうざんがら
ふりがな文庫
“
唐桟柄
(
とうざんがら
)” の例文
僕は巻煙草をふかしながら、
唐桟柄
(
とうざんがら
)
の着物を着た男や
銀杏返
(
いちょうがえ
)
しに結った女を眺め、何か矛盾に近いものを感じない訳には行かなかった。
本所両国
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
格子が
開
(
あ
)
いて、玄関に、膝をついて出迎える女中たち。揃って、
小豆
(
あずき
)
っぽい
唐桟柄
(
とうざんがら
)
に、襟をかけ、
黒繻子
(
くろじゅす
)
の、粋な昼夜帯の、中年増だ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
一人は三十がらみで、
鳶
(
とび
)
の者といったふうにみえるが、他の一人はずっと若く、まだ二十二三であろう、
唐桟柄
(
とうざんがら
)
の
素袷
(
すあわせ
)
に三尺を低くしめ、素足に麻裏をはいていた。
赤ひげ診療譚:07 おくめ殺し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その店さきに下った
双子縞
(
ふたごじま
)
、
唐桟柄
(
とうざんがら
)
、
御召縮緬
(
おめしちりめん
)
。——黒八のいろのさえた
半纏
(
はんてん
)
、むきみや、丹前。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
いくら庄屋でも、百姓町人は絹の袴は絶対にはけなかったもので、
唐桟柄
(
とうざんがら
)
のまちの低い、裏にすべりのいいように黒の
甲斐絹
(
かいき
)
か何かついている、一同あれをはいています。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
見違えるほど血色に
曇
(
うる
)
みが出来て、髪なども
櫛巻
(
くしま
)
きのままであった。
丈
(
たけ
)
の高い体には、
襟
(
えり
)
のかかった
唐桟柄
(
とうざんがら
)
の
双子
(
ふたこ
)
の
袷
(
あわせ
)
を着ていた。お雪はもう三十に手の届く
中年増
(
ちゅうどしま
)
であった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
結城
(
ゆうき
)
の
藍微塵
(
あいみじん
)
の一枚着、
唐桟柄
(
とうざんがら
)
の
袷羽織
(
あわせばおり
)
、茶
献上博多
(
けんじょうはかた
)
の帯をぐいと
緊
(
し
)
め、
白柔皮
(
しろなめし
)
の緒の
雪駄穿
(
せったばき
)
で、髪をすっきりと刈った、気の利いた若いもの、風俗は一目で知れる……
俳優
(
やくしゃ
)
部屋の
男衆
(
おとこしゅ
)
で
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まばらな見物の
先頭
(
まえがわ
)
に、ぐんなりした懐手で、
悄
(
しお
)
れた
鰭
(
ひれ
)
のように袖をすぼめていた、
唐桟柄
(
とうざんがら
)
の羽織で、黒い
前垂
(
まえだれ
)
をした、ぶくりとした男が、舞台で目を白くする絶句に
後退
(
あとずさ
)
りをしながら振返ったのが
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
桟
常用漢字
中学
部首:⽊
10画
柄
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“唐桟”で始まる語句
唐桟
唐桟縞
唐桟揃
唐桟仕立
唐桟木綿