トップ
>
哀願
>
あいがん
ふりがな文庫
“
哀願
(
あいがん
)” の例文
かれのこのくわだてをわたしが
見破
(
みやぶ
)
ると、もちろん
麦菓子
(
むぎがし
)
をやることをやめたが、かれは弱らなかった。まずかれは
哀願
(
あいがん
)
するような目つきでそれを
求
(
もと
)
めた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
わしの
袖
(
そで
)
をつかんで、おゝ妻は
妊娠
(
にんしん
)
だったのだ。わしは
無礼
(
ぶれい
)
な野武士らの前にひざまずいて、
乞食
(
こじき
)
のごとくに
哀願
(
あいがん
)
した。ただ出発をほんの五分間延ばすことを。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
ごく
稀
(
まれ
)
に、父は
発作的
(
ほっさてき
)
にわたしに好意を示しはしたが、それは決して、口にこそ出さないが一目でそれと察せられる私の
哀願
(
あいがん
)
によって、ひき起されたものではない。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
なんとかいわれたら、こんなふうにわびようと、道々口の中でくりかえしてきた
哀願
(
あいがん
)
のことばが口の中でとまどいするのが感ぜられた。だがむろんわるい心地ではなかった。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
やがてすっかり立ちあがると、ゆっくり遠ざかって行った。みんなはかれを呼んだ——はじめはいきおいよく、やがて心配そうに、
哀願
(
あいがん
)
するように。かれは耳をかさなかった。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
▼ もっと見る
『しかし
君
(
きみ
)
、
私
(
わたし
)
は
何
(
なに
)
もワルシャワへ
行
(
ゆ
)
く
必要
(
ひつよう
)
は
無
(
な
)
いのだから、
君
(
きみ
)
一人
(
ひとり
)
で
行
(
ゆ
)
き
給
(
たま
)
え、そうして
私
(
わたし
)
をどうぞ
先
(
さき
)
に
故郷
(
こきょう
)
に
帰
(
かえ
)
して
下
(
くだ
)
さい。』アンドレイ、エヒミチは
哀願
(
あいがん
)
するように
云
(
い
)
うた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
父の言葉は、云い付けと云うよりも
哀願
(
あいがん
)
だった。父としての力も、権威もなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
が、すぐ博士は元にかえって、そのような乱暴は思い
止
(
とどま
)
ってくれと
哀願
(
あいがん
)
した。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、あとは、御用! 神妙にいたせ! と怒声がひとつにゆらいで渦を巻いたが、そのどよめきの切れ目から恨みにかすれる左膳の咽喉が
哀願
(
あいがん
)
の声を振り絞っているのがかすかに聞こえた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
次郎はいくらかはにかみながらも、
哀願
(
あいがん
)
するように言った。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
かれは警部にこう
哀願
(
あいがん
)
した。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
俊寛 (
哀願
(
あいがん
)
に満ちたる調子にて)あなたはわしを見捨ててはくださらぬだろう。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
わたしたちの
空腹
(
くうふく
)
はいよいよやりきれなくなってきた。犬たちは
哀願
(
あいがん
)
するような目つきをたえずわたしに向けた。そしてジョリクールはおなかをさすって、おこって、きゃっきゃっとさけんでいた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
瑠璃子は、涙に
濡
(
ぬ
)
れた頬に、
淋
(
さび
)
しい
哀願
(
あいがん
)
の微笑を
湛
(
たた
)
えた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
と僕は
哀願
(
あいがん
)
した。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
俊寛 (
哀願
(
あいがん
)
にみちたる調子にて)
誓
(
ちか
)
ってくれ。愛を誓ってくれ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
哀
常用漢字
中学
部首:⼝
9画
願
常用漢字
小4
部首:⾴
19画
“哀願”で始まる語句
哀願歌