命知いのちし)” の例文
「へつ、弱蟲よわむし! そんなら貴樣きさまらには、なにができる。命知いのちしらず!」そしてかたをそびやかして睨視にらめつけました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
焼けだされた狼は、わずか三、四十人の隊伍たいごであったが、なにせよ、武器をもっている命知いのちしらずだからたまらない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
にがい、みぐるしい案内者あんないじゃよ! やい、命知いのちしらずの舵手かんどりよ、くるしいうみつかれたこの小船こぶねを、はや巖礁角いはかど乘上のりあげてくれ!……さ、戀人こひゞとに!(と飮む)。
ロミオ いかにも、きてをられぬぢゃ。なればこそ此墓こゝへはた。いやなう、わか命知いのちしらずのもの手出てだしをなさるな。はやうおげなされ。この亡者達もうじゃたちことおもうておそれたがよい。