可申もうすべく)” の例文
景樹を学ぶなら善き処を学ばねばはなはだしき邪路におちい可申もうすべく、今の景樹派などと申すは景樹の俗な処を学びて景樹よりも下手につらね申候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
之を明治の社会に応用致し候わば所謂いわばわざわい未萌みほうに防ぐの功徳くどくにも相成り平素逸楽いつらくほしいままに致しそろ御恩返も相立ち可申もうすべく存候ぞんじそろ……
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「明日のオペラ座の切符手に入り候に付、主人同道お誘いに参り可申もうすべく候、何卒なにとぞ御待受被下度くだされたく候。母上様」と云うのでした。
最終の午後 (新字新仮名) / フェレンツ・モルナール(著)
留むれば手前の働き皆脱けそうらいて、人に斬られ可申もうすべく候。敵に心を置けぱ敵に心をとられ、我身に心を置けば我身に心をとられ候——これ皆心の留まりて手前の脱け申により可申候
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
... 此の花はたちま散果ちりはて可申もうすべくじく其許そこもとさまへつぼみのまゝ差送さしおくり候」はて…分らん…「差送候間御安意ごあんい為め申上候、好文木こうぶんぼくは遠からず枯れ秋の芽出しに相成候事、ことに安心つかまつり候、余は拝面之上匇々そう/″\已上いじょう、別して申上候は」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
仰せにしたがい成るべく決定を延ばし可申もうすべく候う。
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
○印の歌さし出し可申もうすべく候。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
かく申さば一方にて「すらだにも」のごときを許し他の方にて「も」の一字を蛇蝎だかつ視するはいかんとの不審おこ可申もうすべく候。それは左のごとき次第に候。
あきまろに答ふ (新字新仮名) / 正岡子規(著)
されど歌のことばと物語の詞とはおのずから別なり、物語などにある詞にて歌には用いられぬが多きなど例の歌よみは可申もうすべく候。何たる笑うべきことには候ぞや。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
景樹を学ぶなら善きところを学ばねばはなはだしき邪路に陥り可申もうすべく、今の景樹派などと申すは景樹の俗なところを学びて景樹よりも下手につらね申候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
まして小説や院本いんぽんも和歌と同じく文学というものに属すと聞かば定めて目をいて驚き可申もうすべく候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)