召集しょうしゅう)” の例文
戦争せんそうが、はじまって、純吉じゅんきち出征しゅっせい召集しょうしゅうされたとき、父親ちちおやは、ただ息子むすこが、むらからともだちにけをらぬことをねんじたのでした。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
兵隊に召集しょうしゅうせられて、五年余りも戦地で苦労したのですが、戦争がおわって帰って見ると、さいわいにも港区の家は焼けていなかったけれど
青銅の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「兄さんは立川の飛行聯隊へ召集しょうしゅうされて行ったんだけれど、どうしているのかなア、その後なんとも云って来ないんです」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
されば王政維新おうせいいしんの後、新政府にては各国公使を大阪に召集しょうしゅうし政府革命かくめいの事を告げて各国の承認しょうにんを求めたるに、もとより異議いぎあるべきにあらず、いずれも同意をひょうしたる中に
編輯員の二人までがおりから始まった事変に召集しょうしゅうされて、欠員があったのだ。こんどは怠けずこつこつと勤めて二年たつと、編輯長がまた召集されて、そのあとの椅子いすへついた。
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
ラジオの放送を聞くために学校へ召集しょうしゅうされた国民学校五年生の大吉は、敗戦の責任を小さなじぶんのかたにしょわされでもしたように、しょげかえって、うつむきがちに帰ってきた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
そういって押入れの中から、与一は召集しょうしゅう令状を出して見せた。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「があ、非常召集しょうしゅう、があ、非常召集」
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
父親ちちおや一人ひとり息子むすこ一人ひとりのさびしいらしをしていましたが、息子むすこは、戦争せんそうがはじまると召集しょうしゅうされて、とお戦地せんち出征しゅっせいしておくにのためにはたらいていました。
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんど、戦争せんそうがはじまると、秀作しゅうさくさんは、寄留先きりゅうさきから召集しょうしゅうされて、いさましく出征しゅっせいしたのであります。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あに召集しょうしゅうされてから、のちのことでした。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)