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古葛籠
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ふるつづら
ふりがな文庫
“
古葛籠
(
ふるつづら
)” の例文
お時は戸棚の
古葛籠
(
ふるつづら
)
の底を探したが、小柄の十吉の着物では間に合いそうもないので、彼女は二枚の女物を引き出した。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
始末のよい叔母は、
田舎住居
(
いなかずまい
)
のそのころから持ち越して来た、
茜木綿
(
あかねもめん
)
や麻の葉の型のついた着物をまた
古葛籠
(
ふるつづら
)
の底から引っ張り出して来て眺めた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
下へ突込んで、鼠の
噛
(
かじ
)
った穴から、白い
切
(
きれ
)
のはみ出した、中には白骨でもありそうな、薄気味の悪い
古葛籠
(
ふるつづら
)
が一折。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小説かく道といひては原稿紙買ふ時西洋紙はよしたまへ、日本紙ならば
反古
(
ほご
)
も押入の壁や
古葛籠
(
ふるつづら
)
が張れて徳用とも答へがたく、さりとて万年筆は何じるしがよしともいひにくかるべし。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
出代
(
でかはり
)
や春さめ/″\と
古葛籠
(
ふるつづら
)
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
半七は先ず押入れをあけると、内には寝道具と一つの
古葛籠
(
ふるつづら
)
があった。葛籠には錠が卸してなかった。
半七捕物帳:46 十五夜御用心
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
貴下様
(
あなたさま
)
、もうこれ布子から
単衣
(
ひとえもの
)
と飛びまする処を、
今日
(
こんにち
)
あたりはどういたして、また
襯衣
(
しゃつ
)
に
股引
(
ももひき
)
などを貴下様、下女の宿下り見まするように、
古葛籠
(
ふるつづら
)
を
引覆
(
ひっくりかえ
)
しますような事でござりまして
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
汽車の中で
睡
(
ねむ
)
るにもその上へ
白髪
(
しらが
)
の額を押当てて頂いた、勿体ない、鼠穴のある
古葛籠
(
ふるつづら
)
を、仏壇のない押入の
上段
(
うわだん
)
に据えて、上へ、お仏像と先祖代々の
位牌
(
いはい
)
を飾って、今朝も手向けた一
銭
(
もん
)
蝋燭
(
ろうそく
)
も
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼓の
調
(
しらべ
)
を渡して、小袖の土用干をなさる時ばかり、花ももみじも
一時
(
いっとき
)
に、城も御殿も
羨
(
うらやま
)
しくないとお思いなすった、その
記念
(
かたみ
)
まで……
箪笥
(
たんす
)
はもうない、
古葛籠
(
ふるつづら
)
の底から、……お墓の黒髪に枕させた
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
葛
常用漢字
中学
部首:⾋
12画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“古”で始まる語句
古
古今
古渡
古河
古市
古風
古家
古物
古文書
古代