取扱とりあつかひ)” の例文
銭穀せんこく取扱とりあつかひだけは全く予定した所と相違して、雑人共ざふにんどもは身につけられるかぎりの金銀を身に着けて、思ひ/\に立ち退いてしまつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
玄関番げんくわんばん書生しよせい不作法ぶさはふ取扱とりあつかひけると、其処そこ主人迄しゆじんまでがいやになる。著米ちやくべい早々さう/\始末しまつは、すくなからず僕等ぼくら不快ふくわいあたへた。(四月三日)
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)
まあくはしく申上げれば、長いお話も御座いますが、これも娘と申すのは名のみで、年季で置いたかかへも同様の取扱とりあつかひを致して、為て遣る事は為ないのが徳
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
寢食しんしよくことまをすにおよばず、器物きぶつ取扱とりあつかひことみづこと掃除さうぢこと其外そのほかさい仕事しごとくわんしてみん銘々めい/\獨立心どくりつしんつておこなへば自然しぜん責任せきにんおもんずるやうになる。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
又小銃もいろ/\の点が改良されて、取扱とりあつかひが便利にできてゐた。
風変りな決闘 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)