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反噬
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はんぜい
ふりがな文庫
“
反噬
(
はんぜい
)” の例文
わたくしは池上に嫉妬の
枷
(
かせ
)
でぎゅう/\締めつけられながら、ついに思い切った
反噬
(
はんぜい
)
もせず、他愛もない形で二月も過ぎ三月も過ぎ
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
打ち据えられるたびに犬はすさまじい叫びを立てて、いったん転倒したり、跳ね上ったりしたが、やがて立て直して
反噬
(
はんぜい
)
の牙を揃える。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
足長な信玄が、駿河へ兵馬を出したことから、敵方の苦策によって、
反噬
(
はんぜい
)
をうけたのだった。今川、北条の二家が相提携して
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もしこいつらを怒らせると、
反噬
(
はんぜい
)
される恐れがある。反噬されると世が乱れる。政治の執り方が悪いといわれる。天朝に対しても申し訳ない。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「お前の浮気を知らぬよな、そんなわたしと思うてか」と、手強く女に
反噬
(
はんぜい
)
させ、一幅の喜劇図を描くことによって難なくこの事件を解決した。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
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すべて、人間が力尽き
反噬
(
はんぜい
)
する方法を失ってしまった際には、その激情を緩解するものが、
精霊主義
(
オクルチスムス
)
だと云うじゃないか。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
が、その孤独は、すぐ俺を
反噬
(
はんぜい
)
し始めた。しかも、俺の孤独の淋しさの裏には、激しい焦躁の心が潜んでいる。
無名作家の日記
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
最後の土壇場に来ても尚、跳起きて隙もあらば
反噬
(
はんぜい
)
しようとする彼の執念には只々舌を巻くの他はない。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
しかも底になにほどかの罪の意識があるだけ、かれらの
反噬
(
はんぜい
)
は警戒を要するのである。……ところで話の途中であるが、そのとき一人の新しい人物がはいって来た。
思い違い物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
鼈四郎は檜垣の主人に対しては
対蹠的
(
たいしょてき
)
に、いつも東洋芸術の
幽邃高遠
(
ゆうすいこうえん
)
を主張して立向う立場に立つのだが、
反噬
(
はんぜい
)
して来る檜垣の主人の西洋芸術なるものを
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
また、すべて人間が力尽きて、
反噬
(
はんぜい
)
する気力を失ってしまった時には、その激情を緩解するものは、
精霊主義
(
オクルチスムス
)
以外にはないと云うがね。明らかに、これは
呪詛
(
じゅそ
)
だよ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
どうしても、家来筋の師直となす
思惟
(
しい
)
が直義には抜けきれない。そんな男がしかも堂々とこのような
反噬
(
はんぜい
)
に出て来たことが、何とも心外だし堪忍ならぬものに憤られる。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは署長の取調べが情誼を尽し巧に人情の焦点を衝いて、支倉をして深く感銘させた為であって、彼が将来署長に向って
反噬
(
はんぜい
)
を試みようなどとは夢にも思っていなかった。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
彼の心の裡で、
反噬
(
はんぜい
)
するさうした叫びもあつた。その上、今日までは、かうした会合へ出るときは、
屹度
(
きつと
)
新婚の静子を伴はないことはなかつた。が、今日は妻を伴ふことは、考へられないことだつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
途端に、真斎の全身が感電したように
戦
(
おのの
)
いた。そして、何か
縋
(
すが
)
りたいものでも探すような恰好で、きょろきょろ
四辺
(
あたり
)
を見廻していたが、いきなり
反噬
(
はんぜい
)
的な態度に出て
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
父と斎藤とは、その性格から生活環境すべてが、まったく相
反噬
(
はんぜい
)
するものを持っていたのだ。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
デカダン時代の風雅に養成された彼は、今日の唯物的健康なるものに対して悉く
反噬
(
はんぜい
)
する。
巴里のキャフェ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
決して他日
漫
(
みだり
)
に
反噬
(
はんぜい
)
するような事もなく、庄司署長は有終の美をなしたのであろうが、こゝに少しく用意を欠いた為に、後日非常な面倒を
惹起
(
じゃっき
)
し、極一部からではあるが、署長が立身の踏台として
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
お前は、青年に対する責任感からだと、お前の行為を解釈しているが、本当は一度言葉を交えた瑠璃子夫人の
美貌
(
びぼう
)
に
惹
(
ひ
)
き付けられているのではないか。彼の心の裡で、
反噬
(
はんぜい
)
するそうした叫びもあった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
女が既にこうでありますから、男たちが忽ち筋骨を抜かれてしまうのは、当然であります。たゞ小さい男の子供だけは、何か母の手練に引っかゝらない面を持ち、とき/″\は
反噬
(
はんぜい
)
します。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
反噬
(
はんぜい
)
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
反
常用漢字
小3
部首:⼜
4画
噬
漢検1級
部首:⼝
16画
“反”で始まる語句
反
反古
反対
反駁
反身
反物
反故
反撥
反芻
反響