卸売おろしうり)” の例文
旧字:卸賣
その兄はシャツ、ズボンしたなど莫大小物めりやすもの卸売おろしうりをして居るので、彼女も少しミシンを稽古けいこして置きたいと云う。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
石橋いしばしわたしとがかはる/″\める事にして、べつ会計掛くわいけいがゝりを置き、留守居るすゐを置き、市内しない卸売おろしうりあるく者をやとそのいきほひあさひのぼるがごとしでした、ほかるゐが無かつたのか雑誌もく売れました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
こんにちでは値段を定むるに造る者と用うる者は顔など会わすことは少ない。両者の間に仲買なかがいあり卸売おろしうりあり小売こうりあり数人の媒介ばいかいて、我々の最も簡単なる需用じゅようも供給せられる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
さて雑誌は益〻ます/\売れるのであつたが、会計くわいけい不取締ふとりしまりひとつには卸売おろしうりあるかせた親仁おやじ篤実とくじつさうに見えて、実ははなはふとやつであつたのを知らずにために、此奴こいつ余程よほどいやうな事をれたのです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)