勝軍かちいくさ)” の例文
「それには及ばん。その心根はよく分るが、それまでに、危ない中を、往来せんでもよい。充分、体を休めて、勝軍かちいくさらせを待て」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また晋の趙簡子両白騾ありて甚だ愛せしに、ある人重患で白騾の肝を食わずば死ぬと医が言うと聞き、その騾の肝を取ってやった。のち趙がてきを攻めた時、かの者の一党皆先登して勝軍かちいくさした。
「のめエ! 乾坤ところを一にする勝軍かちいくさの門出だ。飲めといったらのめ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
勝軍かちいくさのかがやきのうちに
勝軍かちいくさふえふきならせ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
幕外の将たちも、こもごもに彼のまえへ来て、鷲津わしづ、丸根の勝軍かちいくさにつづいて、鳴海方面の戦況が、刻々、有利に展開していることを祝した。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平井勝家に会うて手水ちょうずを請うに、かめに水満ちて小姓二人かつぎ出し、平井洗手済んで残れる水を小姓庭へ棄てたので平井還って城内水多しと告げ、一同疑惑するところへ勝家撃ち出で勝軍かちいくさしたと記す。
「姉川の一戦は、大そうな勝軍かちいくさでお引揚げとやら、いつもながら御武勇なこと。いや、めでたい。祝着にぞんずる」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜に入ると陣の幕舎には酒瓶さけがめが持ちこまれ、勝軍かちいくさの気をげる心も手伝って、兵に、酒を汲ませながら
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝軍かちいくさのどよめきの中に、前線の負傷者とも、敵方の病人とも思われないが、戸板のうえに横臥おうがしたまま、滝川の家臣や医師などに護られてこの本営へ入って来たので
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鉄砲で射つやつがあるか。城主長政どのに、よくたずねてからにいたせ。それがしを射ったところで、浅井方の勝軍かちいくさになるわけでもあるまい。百年、悔いをあとにのこすな
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
佐久間勢さくまぜいも、一どは秀吉方ひでよしがた中川清兵衛なかがわせいべえを破ったそうですが、丹羽長秀にわながひでが不意の加勢についたため、勝軍かちいくさぎゃくになって、北国勢ほっこくぜいは何千という死骸しがいを山や谷へすてたまま
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝軍かちいくさを報じることができたが——彼の心中には、この勝軍かちいくさを心からよろこぶことができたかどうか。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「支えきれば、お味方の勝利、疑いもありません。昨夜、妻女山へ奇襲した一万余の味方が、これへ駈けって参るまで、支えきれば、はやきょうの勝軍かちいくさは、わが甲軍の上に」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「だから、みすみす、この勝軍かちいくさをすてて、われから降伏をねがい出たと仰っしゃるのか」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人を自分の麾下きかに服せしめるにも、時と所があることを秀吉はよくのみこんでいた。誰も彼もこの勝軍かちいくさに気を好くしてき立っている時と場所こそつけ目であったといってよい。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敗れた降将のことばには、勝軍かちいくさの中では聞かれない、人間の真実がこもっていた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝軍かちいくさの手をゆるめずに、関ヶ原崩れの石田、浮田うきた、小西などの残党を狩りたてているに違いはないので、この月夜に里へ這いだしてゆくには、危険だという考えもないではなかったが、又八が
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
広やかにむしろが敷きのべてあったからだ。しかも各〻の坐るべきところには、白木の折敷おしきと杯とが備えてある。膳部の折敷には、ちょうど出陣か勝軍かちいくさことほぐ時のように、昆布こんぶと栗などが乗っていた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
凱旋の直後、孫権は父兄の墳墓へ詣って、こんどの勝軍かちいくさを報告した。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よく善戦敵の大兵をほふり、存分に勝軍かちいくさの快を満喫した。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝軍かちいくさだッ。いくさはお味方の勝利なるぞ。それ行けッ」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)