割出わりだ)” の例文
墓塲はかば掃除さうぢ男衆をとこしゆたすくるまではたらけば、和尚おしやうさま經濟けいざいより割出わりだしての御不憫ごふびんかゝり、としは二十からちがうてともなきことをんな心得こゝろゑながら
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
徳川家康とくがわいえやすと云うようなかんがえがあって、ソレから割出わりだして聞た所が、今の通りの答に驚いて、是れは不思議と思うたことは今でもく覚えて居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
殺人罪さつじんざいかならずしも或見ゆべき原因によりて成立つものにあらざるなり、かならずしも酬報しゆうほう理論りろんもしくは勸善懲惡くわんぜんてふあく算法さんほうより割出わりだるものにあらざるなり
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
一番先の細い処から切れる訳だからそれを竿の力で割出わりだしていけば、竿に取っては怖いことも何もない。どんな処へでもぶち込んで、ひっかかっていけなくなったら竿は折れずに糸が切れてしまう。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ソコでその私のかんがえから割出わりだして、この徳川政府を見るとほとんど取所とりどころのない有様で、当時日本国中の輿論よろんすべて攘夷で
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)