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刎飛
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はねと
ふりがな文庫
“
刎飛
(
はねと
)” の例文
後は御存じの通り、空を飛ぶような心持で、足も地につかず、夢中で手を
曳合
(
ひきあ
)
って
駈出
(
かけだ
)
した処を、あっと云う間もなく、
終
(
しまい
)
汽車で
刎飛
(
はねと
)
ばされた。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ヤレまた落語の
前座
(
ぜんざ
)
が言いそうなことを、とヒヤリとして、
漸
(
やっ
)
と
瞳
(
ひとみ
)
を
定
(
さだ
)
めて見ると、
美女
(
たおやめ
)
は
刎飛
(
はねと
)
んだ
杖
(
ステッキ
)
を拾って、しなやかに両手でついて、
悠々
(
ゆうゆう
)
と立っている。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
北も南も
吹荒
(
ふきすさ
)
んで、戸障子を
煽
(
あお
)
つ、柱を
揺
(
ゆす
)
ぶる、屋根を鳴らす、
物干棹
(
ものほしざお
)
を
刎飛
(
はねと
)
ばす——
荒磯
(
あらいそ
)
や、奥山家、都会離れた国々では、もっとも熊を射た、鯨を突いた、
祟
(
たた
)
りの吹雪に戸を
鎖
(
さ
)
して
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
途端にお妙が身動をしたので、
刎飛
(
はねと
)
ばされたように、がたりと
退
(
すさ
)
る。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬蛤の穴を
刎飛
(
はねと
)
んで、
田打蟹
(
たうちがに
)
が、ぼろぼろ打つでしゅ、泡ほどの砂の
沫
(
あわ
)
を
被
(
かぶ
)
って転がって
遁
(
に
)
げる時、
口惜
(
くや
)
しさに、奴の
穿
(
は
)
いた、
奢
(
おご
)
った長靴、丹精に磨いた自慢の
向脛
(
むこうずね
)
へ、この
唾
(
つば
)
をかッと吐掛けたれば
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
刎
漢検1級
部首:⼑
6画
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
“刎”で始まる語句
刎
刎頸
刎橋
刎上
刎返
刎起
刎付
刎退
刎釣瓶
刎出