八重葎やへむぐら)” の例文
横笛四邊あたりを打ち見やれば、八重葎やへむぐらしげりて門を閉ぢ、拂はぬ庭に落葉つもりて、秋風吹きし跡もなし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
茶屋ちややあとの空地あきちると、ひとたけよりもたか八重葎やへむぐらして、すゑ白露しらつゆ清水しみづながれに、ほたるは、あみ眞蒼まつさをなみびせて、はら/\とがけしたの、うるしごとかげぶのであつた。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
われいのちあり八重葎やへむぐら
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
われ命あり八重葎やへむぐら
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
身は塵埃ちりひぢ八重葎やへむぐら
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)