-
トップ
>
-
入給
>
-
いりたま
糸織のなへたるにふらんねるを
重ねし
寐間着の
小袖めさせかへ、いざ
御就蓐と
手をとりて
助ければ、
何其樣に
醉ふては
居ないと
仰しやつて、
滄浪ながら
寐間へと
入給ふ。
奧さま
火のもとの
用心をと
言ひ
渡し、
誰れも
彼れも
寐よと
仰しやつて、
同じう
寐間へは
入給へど、
何故となう
安からぬ
思ひのありて、
言はねども
面持の
唯ならぬを、
且那さま
半睡の
目に
御覽じて