健康たっしゃ)” の例文
ああさようか、浜路さんで、よいご器量、健康たっしゃそうでもある。わしはなこの山の乞食坊主、決して恐れるには及ばぬ。それはそうと浜路さん、どうやらお怪我を
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その上健康たっしゃかたでもあることか、死病にとりつかれている人を、まさかあらためて呼び取りなさるという事もできまいし、まあ過ぎた事は仕方がないとして
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
べつうつくしいほどでもありませぬが、体躯からだ大柄おおがらほうで、それにいたって健康たっしゃでございましたから、わたくし処女時代むすめじだいは、まった苦労くろうらずの、丁度ちょうどはる小禽ことりそのまま
「病は気から」ともいうように、私どもは健康たっしゃ精神こころによって、身体の病気を克服してゆかねばなりません。だから、医者と薬と養生の三つのなかで、いちばん必要なものは養生です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「お前のとこでもみんな健康たっしゃか。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
脂肪質の赧ら顔は、昔ながらに健康たっしゃそうであった。永い未決の生活などを、経て来た人とは見えなかった。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『僕とそうして園子さんとはね、是から警察へ行かなけりゃならない。或は君とは最う是れっきり、邂逅あいみることが出来ないかも知れない。で君は健康たっしゃに暮らすがよい』
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それからもう一つ投げ付ける。そうしたらお前は助かるだろう。ではさようなら、健康たっしゃで行くがいい
「二人ながら肉づいて、見るごとに健康たっしゃそうになって行くの」冬次郎は愉快そうにいった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
だが遠くから見ていると、不具者かたわものなどとは思われない。みんな健康たっしゃそうな人間に見える。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
例の狡猾こうかつな笑顔を作り、妙に慇懃いんぎんな様子をしながら静々と彼の部屋へやって来たが、芳江姫も市之丞殿も皆健康たっしゃで暮らしているから充分安心するがよいと、さもおだやかに云った後から
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「赤前垂のお杉さん、古い昔のお友達、あの人は今でも健康たっしゃかしらん?」
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
まさしく家は旅籠屋で、両親もピンピン健康たっしゃでいる。そうして俺には親切だ。親切といえばあの君江、ほんとに俺を愛しているらしい。ちと困ったが迷惑でもない。明るくて快活でわだかまりがない。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「何故城門を閉じたんだ! 何故あいつらだけ健康たっしゃなのだ!」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「おお、そのお義兄あにい様は、お健康たっしゃで?」
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ずいぶんお健康たっしゃでございますなあ。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
健康たっしゃで勤めて居りまする」
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「はい健康たっしゃでございます」
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)