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俥屋
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くるまや
ふりがな文庫
“
俥屋
(
くるまや
)” の例文
すると子供らは、その荒いブリキ色の波のこっち側で、手をあげたり脚を
俥屋
(
くるまや
)
さんのやうにしたり、みんなちりぢりに
遁
(
に
)
げるのでした。
イギリス海岸
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「御苦労だが、帰りに
並仙
(
なみせん
)
に寄って明日来るようにそう云ってくれ。」と
託
(
ことづ
)
けをした。並仙というのは角町にあった
俥屋
(
くるまや
)
である。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
「もしおいでになるなら、あそこの
俥屋
(
くるまや
)
でお訊きになると、すぐ分ります。あそこの俥屋が荷物を運んでゆきましたから、よく知っています」
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
忘れないように……それからもう一つ新橋二五〇九という
俥屋
(
くるまや
)
を探してもらいたい……こっちが先かも知れないがその辺は志免君の考えに任せる。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私は当時
流行
(
はや
)
ったズックの鞄を提げて、胸を轟かしながら、プラットフォームを辿った。改札口まで二三町あったように覚えている。手荷物を取ると直ぐに、
俥屋
(
くるまや
)
を呼んで来た。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
わたしが、せめて病院の外から、おっ母さんのいる窓の明りでもいいから見たいと言ったら、
俥屋
(
くるまや
)
をよんで、お座敷をつけてくれて、病院の灯を見ておいでと言ってくれたのよ。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その時、私の父は、近所の
俥屋
(
くるまや
)
を起したと見え綱引で馳付けて来ました。私は、父の顔を見ると、一旦止まって居た涙が再び流れ出るのを感じました。父は、私の顔を見ると、しゃがれた声で
ある抗議書
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「あれ、また
俥屋
(
くるまや
)
の
黒猫
(
くろ
)
が! しいっ!」
助五郎余罪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
「
俥屋
(
くるまや
)
が持ってまいりました」
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
すると子供らは、その荒いブリキ色の波のこっち
側
(
がわ
)
で、手をあげたり
脚
(
あし
)
を
俥屋
(
くるまや
)
さんのようにしたり、みんなちりぢりに
遁
(
に
)
げるのでした。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
私は寝床に敷いていた毛布を
俥屋
(
くるまや
)
のように身体に纏いながら、半分夢心地で階段を馳け降りると電話口に突立った。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ええ、これから二時間ほどしてから
俥屋
(
くるまや
)
をおこします。ほんなら待ってとくれやす」
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
若くして禅学に達し、
聖福寺
(
しょうふくじ
)
の
東瀛
(
とうえい
)
禅師、建仁寺の
黙雷和尚
(
もくらいおしょう
)
に参し、お土産に宝満山の石羅漢の包みを
提
(
ひっさ
)
げて行って京都の
俥屋
(
くるまや
)
と、建仁寺内を驚かした。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
俥屋
(
くるまや
)
はまるでまっかになって
汗
(
あせ
)
をたらしゆげをほうほうあげながら
膝
(
ひざ
)
かけを
取
(
と
)
りました。するとゆっくりと俥から
降
(
お
)
りて来たのは
黄金色
(
きんいろ
)
目玉あかつらの
西根山
(
にしねやま
)
の山男でした。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
一番残念がったのは俺の
俥屋
(
くるまや
)
だったが、満洲に根を下した豪傑連は、そんな事はわからない。一秒もジッとしておれない連中だからグングンと活躍を続けて行く。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
蒲団はあとから
俥屋
(
くるまや
)
が持って来る。貴様のオヤジのだけれども消毒してあるから大丈夫だ。
虱
(
しらみ
)
なんぞ一匹も居ない筈だ。便所はこの階段を降りると突き当りにある。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
俥
漢検1級
部首:⼈
9画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“俥”で始まる語句
俥
俥夫
俥代
俥賃
俥上
俥宿
俥引
俥曳