トップ
>
侍医
>
じい
ふりがな文庫
“
侍医
(
じい
)” の例文
皇帝はすぐとね床をとびおきて、
侍医
(
じい
)
をおめしになりました。でも、それがなんの役にたつでしょう。そこで
時計屋
(
とけいや
)
をよびにやりました。
小夜啼鳥
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「僕は
侍医
(
じい
)
の役目として」と、ルーシンは答えた。——「その女王を
諌
(
いさ
)
めますな。お客どころでない非常時に、舞踏会なんか催さないようにね。……」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
勝豊の
侍医
(
じい
)
は、船中に囲いをしつらえて薬を煮、湖をわたる寒風を気づかった。しかし勝豊は、
毅然
(
きぜん
)
と坐して、
努
(
つと
)
めて、利家や五郎八などと談笑していた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元園町
(
もとぞのちょう
)
には
竹内
(
たけのうち
)
さんという宮内省の
侍医
(
じい
)
が住んでいて、新年には必ずこの獅子舞を呼び入れて色々の芸を演じさせ、この日に限って近所の
小児
(
こども
)
を
邸
(
やしき
)
へ入れて見物させる。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
たまたまアシュル・バニ・アパル大王が病に
罹
(
かか
)
られた。
侍医
(
じい
)
のアラッド・ナナは、この病軽からずと見て、大王のご衣裳を借り、自らこれをまとうて、アッシリヤ王に
扮
(
ふん
)
した。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
御用心
(
ごようじん
)
遊
(
あそ
)
ばさないといけません。あの
童子
(
どうじ
)
は
詐欺師
(
さぎし
)
でございます。
恐
(
おそ
)
れながら、
陛下
(
へいか
)
のお
病
(
やまい
)
は
侍医
(
じい
)
の
方々
(
かたがた
)
や、わたくし
共
(
ども
)
の
丹誠
(
たんせい
)
で、もうそろそろ
御平癒
(
ごへいゆ
)
になる
時
(
とき
)
になっておりました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
この検死を
麓
(
ふもと
)
の医者にでも頼んだら
忽
(
たちま
)
ち新聞記者の耳に
洩
(
も
)
れて問題にされるでしょうし、相談の結果、恐る恐る
侍医
(
じい
)
の先生に一切を報告してお願いすることにしたのですが、そこは慣れたもので
浴槽
(新字新仮名)
/
大坪砂男
(著)
井上玄桐
(
いのうえげんどう
)
という
侍医
(
じい
)
、
大森典膳
(
おおもりてんぜん
)
という
老職
(
ろうしょく
)
、そのほか、
御物書
(
おものがき
)
の
鹿野文八
(
かのぶんぱち
)
、用人の
剣持与平
(
けんもちよへい
)
にいたるまで、日ごろ側近く召使われている顔はことごとく列に見える。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
侍医
(
じい
)
の
鈴木宗典
(
すずきそうてん
)
が、それのすむのを待って、すぐ
罷
(
まか
)
り出た。侍医はいるが健康になお自信のある老公は、今日はよい、という日もあり、黙って脈を
診
(
み
)
させる朝もある。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鏡
(
かがみ
)
の
間
(
ま
)
から廊下へ通じるあいだにも、一段低い部屋がある。介三郎はそこへ向って、玄桐どの、老公のお召しですと、声をかけた。
侍医
(
じい
)
の玄桐は、役目がらすぐ鏡の間へはいった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“侍医”の意味
《名詞》
律令制で天皇の診察や投薬などを行った医師。
宮内庁に所属し、天皇や皇族などを診察する医師。
(出典:Wiktionary)
侍
常用漢字
中学
部首:⼈
8画
医
常用漢字
小3
部首:⼖
7画
“侍医”で始まる語句
侍医頭