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余所行
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よそゆ
ふりがな文庫
“
余所行
(
よそゆ
)” の例文
旧字:
餘所行
憚
(
はばか
)
んながらこう見えても、
余所行
(
よそゆ
)
きの
情婦
(
いろ
)
があるぜ。
待合
(
まちええ
)
へ来て見繕いで
拵
(
こしれ
)
えるような、べらぼうな
長生
(
ながいき
)
をするもんかい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
春になって花見に行ったとか、もしくは芝居を見に行ったとか、そうでなくっても何処かの人の集りに出て行ったので、
余所行
(
よそゆ
)
きの晴衣を
著
(
き
)
て行った。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
二階い上って大急ぎで
箪笥
(
たんす
)
の中から
揃
(
そろ
)
いの着物や何やかんやと、夫が
余所行
(
よそゆ
)
きの時着る絹セルの
単衣
(
ひとえ
)
と羽織と
絞
(
しぼ
)
りの三尺とを出して、風呂敷に包んで
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
叔父は奥へ引っ込んで、叔母に紙入れを出さすと、
余所行
(
よそゆ
)
きの羽織を引っかけて、ぶらりと女をつれ出した。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
相客が
余所行
(
よそゆ
)
きの上品な言葉で風流話に無中になつてゐる
間
(
うち
)
に、良寛はひとり
猿公
(
えてこう
)
のやうなきよとんとした顔をして、指先きで頻りと鼻糞をほじくつてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
わしは明日ちょっと用があって
太田
(
たいでん
)
まで行って来ようと思ってるんだが、そして行ったついでにお前の
余所行
(
よそゆ
)
きの着物を買って来ようと思ってるんだが、どうだい
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
と花嫁はもう
余所行
(
よそゆ
)
きは止めている。ここで覚るところあっても晩くはなかったのに清之介君は
女婿
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
新仏
(
あらぼとけ
)
さまにまた線香が絶えておりましたに。」と言って、姑は
余所行
(
よそゆ
)
きのままで、茶の
室
(
ま
)
へ来て坐った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「何あに、話半分にお聞き下されば宜しいです。今のは一応
余所行
(
よそゆ
)
きを申上げたのに過ぎません」
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
僅
(
わず
)
か一円五十銭か二円ぐらいの
染絣
(
そめがすり
)
を
余所行
(
よそゆ
)
きにと言って着せてくれただけのことではないか。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
そこで居士はその頃の居士自身の傾向には反対した事をよく
認
(
したた
)
めて余に送ってくれた事もあった。けれどもその
余所行
(
よそゆ
)
きの忠告の文句の
裡
(
うち
)
に余は居士自身の煩悶を体読せずにはおかなかった。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
何処の良人でも故なくして
余所行
(
よそゆ
)
きの羽織を裂けば、これぐらいの厭味は必ず浴せかけられる。
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
朝飯が済んでしまうと、お国は
金盥
(
かなだらい
)
に湯を取って、顔や手を洗い、お作の鏡台を取り出して来て、お
扮飾
(
つくり
)
をしはじめた。それが済むと、
余所行
(
よそゆ
)
きに着替えて、スッと
店頭
(
みせさき
)
へ出て来た。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
子供の時分からいい着物を着たいなんていう欲望を余り持ち合わさなかった私ではあるが、でも
余所行
(
よそゆ
)
きの着物を買って来てやろうと言われて見れば、私とても
満更
(
まんざら
)
嬉しくないことはなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
お辞儀もここの門をくぐると緊張して
真正
(
ほんとう
)
の
余所行
(
よそゆ
)
きになる。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
“余所行”で始まる語句
余所行姿