住職じゅうしょく)” の例文
また自分はそんな冒険な事をやらないでも黄檗宗おうばくしゅうの一寺の住職じゅうしょくになって居りさえすればごく安楽に過せる位置までに進んで居ります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
わたしたちが、子供こどものころから、したしみなれてきた一休いっきゅうさんは、紫野大徳寺むらさきのだいとくじ、四十七代目だいめ住職じゅうしょくとして、天下てんかにその智識ちしき高徳こうとくをうたわれたひとでした。
先生と父兄の皆さまへ (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
このうわさはすぐに方々ほうぼうつたわったので、もうだれもこの寺の住職じゅうしょくになろうというものがなくなってしまった。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
寺というほどでもない住職じゅうしょく控家ひかえやがある、その背戸せどへ石を積んで来たもので。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
親たちが来て抱きすがって泣いているのを見かけ、いそいで菩提寺の住職じゅうしょくを訪れて、われらどもの衷情ちゅうじょうを打明け、そのなきがらを乞いうけました。……手にかけてあやめたものではございません
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この寺には年寄としよった住職じゅうしょく小坊主こぼうず一人が住んでいたが、住職はついに死んでしまい、小坊主はそんなところに一人では住んでいられないと言って、村へげて来てしまった。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
別に住職じゅうしょく居室いまもなければ、山法師やまぼうしも宿らぬのである。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勘太郎は寺の住職じゅうしょくとなり、後には知徳ちとくすぐれた名僧めいそうとなったということである。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
その住職じゅうしょく隠居所いんきょじょの跡だったそうにございますよ。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)