五十鈴いすず)” の例文
さては五十鈴いすずの流れ二見ふたみの浜など昔の草枕にて居眠りの夢を結ばんとすれどもならず。大府おおぶ岡崎御油ごゆなんど昔しのばるゝ事多し。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
山口定雄の一座、その後に佐藤歳三の一座が出ていた事だけ記憶している。今の映画女優山田五十鈴いすずの父山田九州男くすお(女形)も出ていたと思う。間違っているかも知れない。
浅草むかしばなし (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この二柱の神は、拆くくしろ五十鈴いすずの宮いつき祭る。次に登由宇氣とゆうけの神、こはつ宮の度相わたらひにます神なり。次に天の石戸別いはとわけの神、またの名は櫛石窻くしいはまどの神といひ、またの名はとよ石窻の神といふ。
秩父ちちぶの山ふところ、武田の残党として近郷にきこえた豪族ごうぞくのひとりが、あてもない諸国行脚あんぎゃの旅に出でて五十鈴いすず川の流れも清い伊勢の国は度会わたらい郡山田の町へたどりついたのは、ちょうど今ごろ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
五十鈴いすず河は末流すえの方でもはいってはいけない、ことに女人はだが——夏の夜、そっと流れに身をひたすと、山の陰が抱いてるように暗いのに、月光つき何処どこからかってきてあびる水がキラリとする。
大阪の天王寺かぶら、函館の赤蕪あかかぶら、秋田のはたはた魚、土佐のザボン及びかん類、越後えちごさけ粕漬かすづけ足柄あしがら唐黍とうきび餅、五十鈴いすず川の沙魚はぜ、山形ののし梅、青森の林檎羊羹りんごようかん越中えっちゅう干柿ほしがき、伊予の柚柑ゆずかん備前びぜんの沙魚
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
五十鈴いすず川神のさかひへのがれきぬおも
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
五十鈴いすずの川の御手洗水みたらし
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
陽の明るい縁などで、このごろめっきりふえた白髪を抜きながら、忠相がふと、うつらうつらと蛇籠じゃかごを洗う五十鈴いすず川の水音を耳にしたりする時、きまって眼に浮かぶのはあのふくよかなおつるの顔。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
五十鈴いすず川口のはぜ(薬といふうしの日にる) 六
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)