いかで)” の例文
旧字:
夜は山精木魅さんせいもくびの出でて遊ぶを想はしむる、陰森凄幽いんしんせいゆうの気をこらすに反してこの霽朗せいろうなる昼間の山容水態は、明媚めいびいかでかん、天色大気もほとん塵境以外じんきよういがいの感無くんばあらず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
われいまかつて見ざりつる絶壁! あやふしとも、可恐おそろしとも、夢ならずしていかでか飛下り得べき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
人このうちに立ちて寥々冥々りようりようめいめいたる四望の間に、いかでの世間あり、社会あり、都あり、町あることを想得べき、九重きゆうちようの天、八際はつさいの地、始めて混沌こんとんさかひでたりといへども、万物いまことごと化生かせいせず
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)