乳房ちゝ)” の例文
銀鞍ぎんあん少年せうねん玉駕ぎよくが佳姫かき、ともに恍惚くわうこつとしてたけなはなるとき陽炎かげろふとばりしづかなるうちに、木蓮もくれんはなひとひとみな乳房ちゝごとこひふくむ。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
北に峨〻たる青山をとおつなことを吐き出す勝手三昧、やつちやもつちやの末は拳も下卑て、乳房ちゝの脹れた奴が臍の下に紙幕張るほどになれば、さあもう此処は切り上げてと源太が一言
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
……黒繻子くろじゆすに、小辨慶こべんけいあゐこんはだしろさもいとして、乳房ちゝ黒子ほくろまでてられました、わたしとき心持こゝろもちはゞかりながら御推量ごすゐりやうくださりまし。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)