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不届
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ふとどき
ふりがな文庫
“
不届
(
ふとどき
)” の例文
旧字:
不屆
算盤玉
(
そろばんだま
)
に当って、差引こうというほど生意気なことは無い、いわんや、それに恩を
被
(
き
)
せるに到っては、
不届
(
ふとどき
)
といわざるを得ないな。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かゝる
不届
(
ふとどき
)
の狼藉者を、かほどの大勢にて御見送り賜はる、貴藩の御政道の明らかなる事、まことに感服に
堪
(
た
)
へたりと云ふ可し。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
世間ではかえってその人を非常に
罵倒
(
ばとう
)
し「彼は
外道
(
げどう
)
である。大罪悪人である。ラマに対して悪口をいうとは
不届
(
ふとどき
)
である」
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
而して彼はさし
俯
(
うつむ
)
くおかみに向うて、
此
(
この
)
家
(
うち
)
の最初の主の稲次郎と密通以来今日に到るまで彼女の
不届
(
ふとどき
)
の数々を烈しく責めた。彼女は終まで俯いて居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかしながら人間どもは
不届
(
ふとどき
)
だ。
近頃
(
ちかごろ
)
はわしの祭にも
供物
(
くもつ
)
一つ持って来ん、おのれ、今度わしの領分に最初に足を
土神ときつね
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
遂に「重き御国禁を犯し候段
不届
(
ふとどき
)
に付き、父杉百合之助へ引渡し在所において
蟄居
(
ちっきょ
)
申し付ける」の宣告を得、
檻輿
(
かんよ
)
長門に下り、野山の獄に投ぜられたり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
ほめ方に日本ばなれと云ふのは
不届
(
ふとどき
)
であるが、とにかく世界一と日本人には思はれると確信して居る。
釣十二ヶ月
(新字旧仮名)
/
正木不如丘
(著)
地体
(
じたい
)
この宅従前住人絶え家賃すこぶる低廉なるは、日本で見た事もない化物屋敷だったのを世話した奴も
不届
(
ふとどき
)
だが、佐藤は俺より早く宿ったから知っていそうなものと
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
お照は
不届
(
ふとどき
)
至極
(
しごく
)
な
親爺
(
おやじ
)
の量見違いから置去りにされて唯一人世の中へほうり出された娘である。沢次は家倉はおろか女房
児
(
こ
)
までもふり捨てて打込んだ自分をば無造作に突き出してしまった女である。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
神職 恐れながら伺い奉る……御神慮におかせられては——
畏
(
かしこ
)
くも、これにて漏れ承りまする処におきましては——これなる
悪女
(
あくじょ
)
の
不届
(
ふとどき
)
な
願
(
ねがい
)
の
趣
(
おもむき
)
……趣をお聞き届け……
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
殊に大体
蟄居
(
ちっきょ
)
中の身分梅田源二郎へ面会致す段
不届
(
ふとどき
)
に付き、死罪申付ける。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
唯おみきを
私
(
わたくし
)
しょう、
不届
(
ふとどき
)
ばかりではござりませぬ、貴女様御祭礼の前日夕、お
厩
(
うまや
)
の蘆毛を猿が
曳
(
ひ
)
いて、
里方
(
さとかた
)
を一巡いたしますると、それがそのままに風雨順調、五穀
成就
(
じょうじゅ
)
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この段
不届
(
ふとどき
)
に付き、父杉百合之助へ引渡し在所において
蟄居
(
ちっきょ
)
申し付ける。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
届
常用漢字
小6
部首:⼫
8画
“不届”で始まる語句
不届者
不届至極
不届奴
不届千万