上唇うはくちびる)” の例文
やゝ早口ながら、ネツチリと、ナンドリと、含み声で伯龍は、それが癖の、上唇うはくちびると下唇とをとき/″\ペロリなめ廻しながら
吉原百人斬り (新字旧仮名) / 正岡容(著)
彼は、まだ上唇うはくちびるを靜かに指で撫でゝゐた。そして、その眼も、依然として夢みるやうに爐の火格子ひがうしを見守つてゐた。
あしわすれたか投出なげだした、こしがなくば暖簾のれんてたやうにたゝまれさうな、年紀としそれて二十二三、くちをあんぐりやつた上唇うはくちびる巻込まきこめやう、はなひくさ、出額でびたひ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ガラツ八は少し顎を突出して、長い舌でペロリと上唇うはくちびるめました。
鮟鱇あんかうにしてはすこかほがそぐはないからなににしやう、なにるだらう、このあかはなたかいのに、さきのはうすこれさがつて、上唇うはくちびるにおつかぶさつてる工合ぐあいといつたらない
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)