一纏ひとまとめ)” の例文
つちうへらばつてゐる書類しよるゐ一纏ひとまとめにして、文庫ぶんこなかれて、しもどろよごれたまゝ宗助そうすけ勝手口かつてぐちまでつてた。腰障子こししやうじけて、きよ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
土の上に散らばっている書類を一纏ひとまとめにして、文庫の中へ入れて、霜と泥に汚れたまま宗助は勝手口まで持って来た。腰障子こししょうじを開けて、清に
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
従って彼は三千代の顔や、容子ようすや、言葉や、夫婦の関係や、病気や、身分を一纏ひとまとめにしたものを、わが情調にしっくり合う対象として、発見したに過ぎなかった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
従つてかれは三千代の顔や、容子や、言葉や、夫婦の関係くわんけいや、病気や、身分みぶん一纏ひとまとめにしたものを、わが情調にしつくり合ふ対象として、発見したに過ぎなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼はふと眼を転じて、あらわな白いかいなの傍に放り出された一束ひとたば書物かきものに気を付けた。それは普通の手紙の重なり合ったものでもなければ、また新らしい印刷物を一纏ひとまとめくくったものとも見えなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)