“一重”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとえ71.3%
ひとへ21.0%
ひとかさ3.5%
ひとかさね2.8%
いちじゅう0.7%
ひとじゅう0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
オニユリの花は通常一重ひとえであるが、時に八重咲やえざきのものが見られ、これを八重天蓋やえてんがいと称するが、テンガイユリはオニユリの一名である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
僧はねんごろに道を教ふれば、横笛に嬉しく思ひ、禮もいそ/\別れ行く後影うしろかげ、鄙には見なれぬ緋の袴に、夜目にも輝く五柳の一重ひとへ
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
天子てんしさまはたいそう頼政よりまさ手柄てがらをおほめになって、獅子王ししおうというりっぱなつるぎに、おうわぎ一重ひとかさえて、頼政よりまさにおやりになりました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
なお椅子を引きよせて、ゆっくり抽斗の中を探すと、金貨を入れた金袋が一つあって、その下に額面二万フランからの記名株券が一重ひとかさね詰まっていた。
空家 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「いいねえ、与八さん、いいだろう、お前の頭の上へ石を積んだって、かまやしないね、一重いちじゅう組んでは父のため、二重組んでは母のため……なんだから」
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
気取ったおかず婆さんからは、餡がお気に召すまいからと云って、唯搗き立てをちぎったまゝで一重ひとじゅうよこす。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)