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よさうどほ
主人は
予想通り
血色の
好い
下膨の
福相を
具へてゐたが、
御米の
云つた
樣に
髭のない
男ではなかつた。
鼻の
下に
短かく
刈り
込んだのを
生やして、たゞ
頬から
腮を
奇麗に
蒼くしてゐた。
けれども、
屏風は
宗助の
申し
出た
通り、
間もなく
奧から
縁傳ひに
運び
出されて、
彼の
眼の
前に
現れた。さうして
夫が
豫想通りつい
此間迄自分の
座敷に
立てゝあつた
物であつた。