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よぎしや
何事も、しかし、
其の
的に
打撞るまでには、
弓と
云へども
道中がある。
醉つて
言ふのではないけれども、ひよろ/\
矢の
夜汽車の
状から、
御一覽を
願ふとしよう。
京都へ
着いた
一日目は、
夜汽車の
疲れやら、
荷物の
整理やらで、
徃來の
日影を
知らずに
暮らした。
二日目になつて
漸く
學校へ
出て
見ると、
教師はまだ
出揃つてゐなかつた。
水の上の街は
夜霧の中にぼんやりと黒く浮いて居る。
乗客の
少い
夜汽車から降りた三十人程の者は夜が明けて
後に来る一銭蒸汽を待つ
積か大抵
停車場の待合室へ
入つて
仕舞つた。