“むっく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
勃然80.0%
蹶然20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と叫ぶ男あって二間丸太に論もなく両臑もろずねもろぎ倒せば、倒れてますます怒る清吉、たちまち勃然むっくと起きんとする襟元えりもとって、やいおれだわ、血迷うなこの馬鹿め
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
米友の横に振った棒を飛び退いてまた飛びついて、ワン! といったのは人間ではない、かなり大きな形をしている犬の声でしたから、米友は勃然むっくとしてはねおきました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
腰の蝶番ちょうつがいは満足でも、胸の蝶番が「言ッてしまおうか」「言難いナ」と離れ離れに成ッているから、急には起揚たちあがられぬ……俄に蹶然むっくと起揚ッて梯子段はしごだん下口おりぐちまで参ッたが、不図立止まり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
払うも払わぬも今一言の言葉のあや……今一言……たった一言……その一言をまだ言わぬ……折柄おりからガラガラと表の格子戸こうしどく音がする……吃驚びっくりして文三はお勢と顔を見合わせる、蹶然むっく起上たちあが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ト言ったその声が未だ中有ちゅうう徘徊さまよッている内に、フト今年の春向島むこうじま観桜さくらみに往った時のお勢の姿を憶出し、どういう心計つもり蹶然むっくと起上り、キョロキョロと四辺あたり環視みまわして火入ひいれに眼をけたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)