“むぎわら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
麦藁57.6%
麦稈34.8%
麥藁3.3%
麥稈2.2%
麦桿1.1%
黍稈1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
火がなくッたってあたたかい、人間の親方おやかたはあんなにつめたくッてとげとげしているのに、どうしてれた麦藁むぎわらがこんなに暖かいものだろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
細かい人形、お茶道具、おかまなべやバケツに洗濯板せんたくいた、それに色紙や南京玉ナンキンだま、赤や黄や緑の麦稈むぎわらのようなものが、こてこて取り出された。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
鐵砲玉てつぱうだま麥藁むぎわらかごへもれられた。與吉よきちはそれを大事相だいじさうつては時とき/″\のぞきながら、おつぎが炊事すゐじあひだ大人おとなしくしてすわつてるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ソーダ水に麥稈むぎわらの管をつけて吸ふこと、同じやうに西洋文明の趣味に屬する。あれは巴里の珈琲店で、若い女と氣の輕い話をしつつ、靜かに時間を樂しんで吸ふべきものだ。
ラムネ・他四編 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
ふと葉子は目の下の枯れあしの中に動くものがあるのに気が付いて見ると、大きな麦桿むぎわらの海水帽をかぶって、くいに腰かけて、竿ざおを握った男が
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
地べたの上へ黍稈むぎわらを敷いて寐たり、石の上、板の上へ毛布一枚で寐たりという境涯であった者が、にわかに、蒲団や藁蒲団の二、三枚も重ねた寐台の上に寐た時は、まるで極楽へ来たような心持で
(新字新仮名) / 正岡子規(著)