“まゆ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マユ
語句割合
88.5%
9.2%
1.6%
柳眉0.2%
眉毛0.2%
真油0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と船長がしゃがれた声でプッスリと云った。同時にまゆの間とほっペタの頸筋くびすじ近くに、新しい皴が二三本ギューと寄った。冷笑しているのだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
天井の真中には、麻布あさの袋でおおったシャンデリアがさがっているが、ひどい埃のために、まるでさなぎの入っているまゆそっくりだ。
そのあかるいまゆが、ふと義貞に、ゆうべのある一ときにひそめた黛を思い出させた。たましいは人形にうちこまれ、彼女は人間に返っている。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
折々にさゞ波うつ柳眉まゆの如何なる愁ひやふくむらん、金をとかす此頃の暑さに、こちたき髮のうるさやとすましけるは今朝、おのづからの緑したゝらん計なるが肩にかゝりて
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あごを首飾りの中につき込み、目には緑色の琥珀絹こはくぎぬで縁おおいした緑色の眼鏡めがねをかけ、髪は額の上に平らになでつけられて眉毛まゆの所まで下がり、イギリスの上流社会の御者がつけてるかつらのようだった。
「よし、我はなんじに勝とう。」と一人がいった。それは反絵に倒された兵士の真油まゆであった。彼は立ち上ると、血のついた角髪みずらで反絵の腹をめがけて突進した。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
最始さいしょの博物学者は蛅蟖けむしの変じてまゆと成りしときは生虫の死せしと思いしならん、他日美翼を翻えし日光に逍遙するちょうはかつて地上に匍匐ほふくせし見悪みにくかりしものなりとは信ずることの難かりしならん。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)