“はなぞめ”の漢字の書き方と例文
語句割合
花染100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さかりと咲亂さきみだれ晝と雖も花明はなあかりまばゆきまでの別世界べつせかい兩側りやうがはの引手茶屋も水道尻すゐだうじりまで花染はなぞめ暖簾のれん提灯ちやうちん軒を揃へて掛列かけつらね萬客の出入袖を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
恍惚うっとりした小児こどもの顔を見ると、過日いつかの四季の花染はなぞめあわせを、ひたりと目の前へ投げて寄越よこして、大口おおぐちいて笑った。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
稽古の窓に向つて三諦止觀さんたいしくわんの月を樂める身も、一てう折りかへす花染はなぞめ幾年いくとせ行業かうげふを捨てし人、百夜もゝよしぢ端書はしがきにつれなき君を怨みわびて、亂れくるし忍草しのぶぐさの露と消えにし人
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
脚絆きゃはんを堅く、草鞋わらじ引〆ひきしめ、背中へ十文字に引背負ひっしょった、四季の花染はなぞめ熨斗目のしめ紋着もんつき振袖ふりそでさっ山颪やまおろしもつれる中に、女の黒髪くろかみがはらはらとこぼれていた。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もうお目にかかられぬ、あの花染はなぞめのお小袖こそで記念かたみに私に下さいまし。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)