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のりぢ
厭しげに宮の
余所見せるに、
乗地の唯継は
愈よ声を作りて
乘地に
成つて
居た
爺さんは
少し
白い
膜を
以て
掩はれた
樣な
眼を
睜つて
稍辟易した。
此處にをかしき一
條の
物がたりと
少し
乘地に
聲をはづますれば。
「
菓子なんぞまた
盜つちや
畢へねえぞ、うむ、そつちの
方の
酒樽ん
處にも
立つてゝ
飮み
口でも
引つこ
拔かねえで
貰あべえぞ、みんな」と
痘痕の
爺さんは
獨り
乘地に
成つていふのであつた。
「そんぢや
勘次さんおめえ
幾つでえ」
相手は
乘地になつて
聞いた。