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てんきもやう
「そりや、
誰だつて
知つてまさ、
私は
唯急に
天氣模樣が
變つて、
風でも
吹きやしまいかと、
其をお
聞き
申すんでさあ。」
その
前夜のあの
暴風雨をわすれたやうに、
朝から
晴れ/″\とした、お
天氣模樣で、
辻へ
立つて
日を
禮したほどである。おそろしき
大地震、
大火の
爲に、
大都は
半、
阿鼻焦土となんぬ。
「
天気模様は
如何でせうな。」「さあ——」「
降るのは
構ひませんがね、その
雷様は——」
小笠原氏は、
幌なしの
車に、
横ざまに
背筋を
捻ぢて、
窓に
腰を
掛けたやうな
形で
飛び
飛び