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たうぞく
見付
手當り次第に
掻浚ひ
元來し道より出行けりお菊は
盜賊の立去るを見て
頓て家内を起せしかば
利兵衞始め走來りて庭にお竹が殺され居るを
十
兩以上の
盜賊でなくても、
首は
繋がらなかつた。
死刑は
連日行はれた。
彼れが
月番の
時は、
江戸なら
淺右衞門ともいふべき
首斬り
役の
刃に、
血を
塗らぬ
日とてはなかつた。
殺し其血にて自分は
盜賊に
切殺されし
體に
取拵へ夫より九州へ下り
肥後の
熊本にて
加納屋利兵衞といふ大家に奉公し七百兩餘の金子を
掠め夫を
糺問有ければ
終に白状致しけり
因て金屋の
盜賊も相知れ夫より清三郎へ
追手を
掛られたり扨牢内より彼の
旅僧雲源を
呼出され又伊勢屋三郎兵衞を