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ずゐい
彼は
書生として
京都にゐる
時分、
種々の
口實の
下に、
父から
臨時隨意に
多額の
學資を
請求して、
勝手次第に
消費した
昔をよく
思ひ
出して、
今の
身分と
比較しつゝ、
頻りに
因果の
束縛を
恐れた。
旦那へ願ひ見んとて一同より平兵衞へ
斯と
語りしに平兵衞も
道理と思ひ夫は
隨分宜事なれば
左も
右も
其方達の
隨意に致すべしと
許されしにより
若者等は大に悦び
早速重四郎の方へ到り此趣きを