-
トップ
>
-
しゆつちやう
漸く
三組の
役人の
顏が
揃うて、いざ
檢死といふ
時、
醫師として
中田玄竹が
出張することになつた。
流石に
職掌柄とて
玄竹は
少しも
死體の
臭氣を
感じない
風で、
菰の
下の
腐肉を
細かに
檢案した。
女房は
鐵瓶の
下を
見かた/″\、
次の
間の
長火鉢の
前へ
出張に
及んで
去程に
札の
辻の自身番より月番の町奉行中山出雲守殿へ右の次第を
訴へに及びければ檢使の役人兩人
非番の町奉行より一人
出張に相成立合の上死骸を