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けうじゆ
安値の
報酬で
學科を
教授するとか、
筆耕をするとかと、
奔走をしたが、
其れでも
食ふや
食はずの
儚なき
境涯。
以て
貰ひ
請し半四郎ゆゑ己れが實子の如くに
愛し半四郎も
又能孝養を盡しけるが其中無刀流の劔術を一
入心を盡して
教授なすに元より
神妙を得たる半四郎なれば上達する事一を聞き十を
素より
彼の
人に
約束の
覺えなく
増して
操の
立てやうもなけれど、
何處とも
知らず
染みたる
思ひは
此身ある
限り
忘れ
難ければ、
萬一かの
教授さま
達て
妻にと
仰せのあらば