“くわうくわつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
廣濶33.3%
宏濶33.3%
広濶33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其眺矚そのてうしよくや甚だ廣濶くわうくわつなるにあらず、否、此處こゝよりはその半腹を登り行く白衣はくいの行者さへ見ゆと言ふなる御嶽の姿も、今日けふは麓の深谷より簇々むら/\と渦上する白雲の爲めに蔽はれて
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
昨日きのふ仰ぎし惠那岳えなだけは右に、美濃みの一國の山々は波濤の打寄するが如く蜿蜒ゑんえんつらなわたりて、低き處には高原をひらき、くぼき處には溪流をはしらせ、村舍の炊烟すゐえん市邑しいう白堊はくあ、その眺望の廣濶くわうくわつなる
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
うして宏濶くわうくわつ水田すゐでんは、一にちどろひたつたまゝでも愉快相ゆくわいさううたこゑがそつちからもこつちからもひゞくとともに、段々だん/\あさみどりおほうて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
牢獄の外に三千乃至ないし三万の世界ありとも、我には差等なし、我は我牢獄以外を我が故郷と呼ぶが故に、我が想思の趣くところは広濶くわうくわつなる一大世界あるのみ
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)