“きりきず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
切創37.5%
切疵18.8%
金瘡6.3%
切傷6.3%
切瘡6.3%
切込疵6.3%
創傷6.3%
斬傷6.3%
斬疵6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
死後切創きりきずが加えられる以前に、易介は自企的窒息を計ったのではないか——などという、すこぶる市井の臆測に堕したような異説も現われたくらいである。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「親分。案の通り、金造は切疵きりきずのくすりを買って行きました。金創きんそういっさいの妙薬という煉薬ねりぐすりだそうで……」
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
助「湯河原は打撲うちみ金瘡きりきずにはいというから、ゆっくり湯治をなさるがい、ついてはこの仏壇の作料を上げましょう、幾許いくらあげたらよいね」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
湯の温度は百六十三度乃至ないし百五度ぐらいで、打撲うちみ金瘡きりきずは勿論、胃病、便秘、子宮病、僂麻質私りょうまちすなどの諸病に効能きゝめがあると申します。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あいつは片頬に切傷きりきずがある。そしてなかなか面白おもしれえとこがあるよ、ことに酔っ払うとだ、ビルの奴はね。まあ証拠として申し上げようかな。
それに、背恰好、左足首に骨まで通った切瘡きりきず——これは若い頃の悪戯わるさの祟りで、お守りの私がうんと叱られました
月代さかやきと鬚は近頃剃ったものらしいが、何を使ってどうして剃ったものか、アチコチに切込疵きりきずだらけで、ところマンダラに毛が残っているのが、ホコリだらけの町人あたま
一郎は、不審にたえない面持で、もう一度創傷きりきずを覗きこんだ。その結果、彼は屍体の頸部に恐ろしいものを発見した。恐ろしい人間の歯のあとを!
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すさまじい斬傷きりきずろうのような顔に、昨日の艶色えんしょくはありませんが、黒髪もそのまま、経帷子きょうかたびらも不気味でなく、さすがに美女の死顔の美しさは人を打ちます。
斬疵きりきずではない、突いてえぐったものじゃ、みずおちあたりにただ一箇所」
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)