“きへん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
机辺35.7%
欺騙14.3%
木扁7.1%
几辺7.1%
危変7.1%
奇変7.1%
岐片7.1%
木偏7.1%
棋辺7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし時親は、やはり表が気になるとみえ、机辺きへんの書物やら山絵図のごとき物を、ひとりごそごそと、かたづけていた。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ナタナヱル無花果樹下いちじくのきのしたに黙坐す、ナザレのイエス彼を見て、以て猶太人ユダヤびとうちに尤も硬直にして欺騙きへんなきものと思へり。後世の之を説くもの、ナタナヱルの黙思を論ぜずして、基督の威力のみを談ず。
各人心宮内の秘宮 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
木扁きへんに力と書いてオコとよんでいるもの以外に、地方ではまた棒をサスという者と、天秤棒てんびんぼうという者とがある。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
現在もっともひろく知られている名は大よそ三つ、その一つはオコまたはオーコ、これには木扁きへんに力という字をあてているが、おこは日本でつくった新字しんじというものであった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
わずかに一ヶ月を過ぎたる今日にてすら、飛んでもない見当違ひの歌は、いくらもわれらの几辺きへんに飛び来るを見る。されど弊害は何処どこにもある事なり。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
竹童ちくどうをのこして、陣馬じんばはら花畑はなばたけ危変きへんをのがれてきた咲耶子さくやこが、とりでの奥郭おくぐるわへとびおりざま、狂気きょうきのように、櫓番やぐらばん武者むしゃだまりのさむらいへ、声をからして、んでもさけんでも、ひとりとして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おお! 殿とのにもご用意あれや、早くも伊那丸いなまる駕籠かごを目がけて、総勢そうぜいの力をあつめてくるような敵の奇変きへんと見えまするぞ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
花中の花柱かちゅうは大きく三し、そのはし柱頭ちゅうとうがあり、その三岐片きへんの下には白色やく雄蕊ゆうずいを隠している。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ツバキは春に盛んに花を開くのでそれで木偏きへんに春を書いてこれをツバキとませたもので
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
あたかもこれ邯鄲枕上盧生かんたんちんじょうろせいの夢、仙人棋辺きへん王質の斧柄ふへいも、もってこれを形容するあたわざるの心地するならん。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)