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おいとし
ず
沸かへる
涙も
人事にして
御不憫や
孃さま
此程よりのお
煩ひのもとはと
云はゞ
何ゆゑならず
柔和しき御
生質とて
口へとては
出し
給はぬほど
猶さらに
御いとほしお
心は
中々我が
云ふやうな
物にはあらず
此お
文御覽ぜばお
分りになるべけれど
御前さま
無情お
返事もし
遊ばされなば
彼のまゝに
居給ふまじき
御决心ぞと
見る
目は
聞夫はマア
御愛惜い事
然樣思し
召は成程御
道理恩を受て恩を知ぬは人でなしとは云ものゝ
力業にも
屆かぬは金の才覺
何うか仕樣が有さうな者と夫婦は
膝を