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いうびんきよく
然れば、
神樂坂へ
行きがけに、
前刻郵便局の
前あたりで、
水入らずの
夫婦が
散歩に
出たのに、
餘り
話がないから
A
大隈侯が
前の
正月に
受取つた
年始の
葉書は
無慮十八
萬五千九十九
枚で、
毎日々々郵便局から
大八
車で
運びこんだと
云ふが、
隨分君エライもんぢやないか。
『
過去の
事を
思ひ
出すものは、
兩眼を
抉つて
了ひませう。リユバフキン!』と、
彼は
大聲で
誰かを
呼ぶ。
郵便局の
役員も、
來合はしてゐた
人々も、一
齊に
吃驚する。