注意ちゅうい)” の例文
ばんには、ゆきるかもしれないから、みんなそとているものは、りいれろや。」と、おおきなこえでいって、注意ちゅういをしたのでした。
般若の面 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はたして島本しまもとは、とくに注意ちゅういはしなかつたけれど、金魚きんぎょたつていいました。そして、ひらひらしていてうつくしかつた、といつたんです
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
うさんくさい目つきをして、じぶんたちの挙動きょどう注意ちゅういしているらしい。蛾次郎がじろうは口をむすんで、あわてて夕星ゆうぼしへ顔をそらしながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや私が書生仲間しょせいなかまには随分ずいぶんかようなる事に常々つねづね注意ちゅういし、当時の秘密ひみつさぐり出し、互にかたり合いたることあり、なおれたる事柄ことがらも多かるべし
みなはまたしばしもくしてしまう。そのうちちゃる。ドクトル、ハバトフはみなとの一ぱんはなしうちも、院長いんちょうことば注意ちゅういをしていていたが突然だしぬけに。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
キツネたちは、注意ちゅういぶかく、そっと、近づいていきましたので、ガチョウの目には、キツネのかげさえはいらないようでした。
あの下の古いとうのなかで、をあかすつもりがあるなら、あそこへいきなさい。だが、そのまえに注意ちゅういしておくが、いのちはないものと思いなさい。
外国人も貿易の一点に注意ちゅういすることとりたれども、彼等のるところはただこれ一個の貿易国ぼうえきこくとして単にその利益りえきを利せんとしたるにぎず。
事実上じじつじょうこまかい注意ちゅういのこりなくおはつからおしえられたにしても、こんなときかあさんでもきていて、そのひざかれたら、としきりにこいしくおもった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そうした場合ばあいには、むろんわたくしほうでもよく注意ちゅういしてきいてげ、夜中よなかであるからけないなどとはけっしてもうしませぬ。
その自分も注意ちゅういし家のものの話にも注意してみると、花前はかならず一度ぐらいずつ民子をだいてみる。民子たみこもますます花前はなまえ、花前といってへやへあそびにゆく。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「なおまいってよく粗匆そそうのないよう注意ちゅういいたせ。それから千人の食事しょくじのしたくをもうつたえてくれ」
四又の百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ところが、機関車きかんしゃ小窓こまどから前の方を注意ちゅういしていた私は、思わずアッと声をたてました……。
ばかな汽車 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
だが、どうしてもさっきのふしが思い出せなかった。でも、祖父そふから注意ちゅういされてるのに得意とくいになり、自分のいい声をほめてもらおうと思って、オペラのむずかしいふし自己流じこりゅうにうたった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
こまった間違まちがいだな。」めるようにあたまりながら、生徒監は注意ちゅういした。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
注意ちゅういしてくれました。
そのひかりは、なかばつちにうずもれているためか、それほどのつよかがやきではなかったけれど、かれ注意ちゅういをひくに十ぶんだったのであります。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
その予備知識よびちしきがあつて、ことさらにたずねてみたのだから、自然しぜんにこちらも、注意ちゅういぶかくこの重役じゅうやく態度たいど観察かんさつしていたわけである。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
と思うとまた、たき水沫すいまつがたちこめている岩層がんそうふちにそって、水面を注意ちゅういしながらかける宮内くないの小さいかげが見いだされた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おりゃあ、だれだかわからねえから、三べんも注意ちゅういしてやって、口をきくなり、おりてくなりしろっていったんだもの。
そう注意ちゅういされているうちに、もうわたくしには蝶々ちょうちょうのような羽翼はねをつけた、おおきさはやっと二三ずんから三四寸位すんくらいの、可愛かわいらしい小人こびとむれがちらちらうつってたのでした。
それと見るや、ヤッローは、はっとわれにかえって、あぶない、と大声で注意ちゅういしました。ところが、ガンたちは、それでも、この小島の上を何回なんかいも何回もいったりきたりするのです。
儀一ぎいちはあのとおりものにならない。あとはきさまひとりをたよりに思ってれば、この始末しまつだ、警察けいさつからまで、きさまのためには注意ちゅういけてる。夜遊よあそびといえばなにほどいってもやめない。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
そうしてちながら、外国がいこくや、露西亜ロシヤ新聞しんぶん雑誌ざっしいてあるめずらしいこと、現今げんこんはこう思想しそう潮流ちょうりゅうみとめられるとかとはなしすすめたが、イワン、デミトリチはすこぶ注意ちゅういしていていた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こう注意ちゅういしてやると、後方こうほうから、前線ぜんせんおくられたばかりの、わか兵士へいし一人ひとりが、目前もくぜんで、背嚢はいのうをおろして、そのうちあらためていました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、門外不出もんがいふしゅつ取扱とりあつかいには、十ぶん注意ちゅういしていましてね。わたしにしても、そうみだりに持出もちだすことはできない仕組しくみになつているんですから
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
でも、十三ばんめの扉は、この小さなかぎで、あくことはあきますけど、でもあけてはいけません。ようく注意ちゅういして、あけないようにするんですよ。
と、彼女は、微笑びしょうをもって、それへはるかな注意ちゅういをおくっている。——すると、その灯はえて、つぎにはやや青味あおみをもった灯が、ななめに、雨のようなすじを三たびかいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
にあまるところはその都度つどきびしく注意ちゅういあたえるから、そなたもその覚悟かくごてもらいたい。
さっき、早く走っていたときには、だれひとり、ニールスには注意ちゅういをはらいませんでした。みんなは、ちっぽけなネズミが、ちょこちょこけまわっているのだろうぐらいに思っていたのです。
アンドレイ、エヒミチはやはり相手あいてかおずに、知識ちしきあるものはなしばかりをつづける、ミハイル、アウエリヤヌイチは注意ちゅういしていていながら『それは真実まったくです。』と、そればかりを繰返くりかえしていた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「こんどは、ゆだんをして、このおとこがすようなことがあってはならないぞ。」と、番人ばんにんは、目上めうえ役人やくにんから注意ちゅういをされました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ばあさんは、ぷうぷうすみをふいて、小さなふかいなべをかけ、なにかをはじめました。それを見ますと、むすめはふたりに気をつけるように注意ちゅういして
毎朝まいあさ、ゆけと注意ちゅういされなくても、自分じぶんをつけるものですよ。」と、おかあさんは、おっしゃったきり、なんともいわれませんでした。
気にいらない鉛筆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある日のこと、おさらをさげた召使めしつかいが、どうにも中身なかみを知りたくなって、そのままそのおさらをじぶんのへやにもっていきました。召使めしつかいはとびら注意ちゅういぶかくしめてから、ふたをとってみました。
「ごはんがにえたら、おかあさんにあげて、さきべておしまい。」と、父親ちちおやは、戸口とぐち兄弟きょうだい注意ちゅういして、そらをながめていましたが
ペスときょうだい (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、くろいねこが泉水せんすいちかくをあるいていると、コケッコ、コケッコといって、泉水せんすいなか金魚きんぎょや、こいにも、注意ちゅういをしたのであります。
こいのぼりと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人間にんげんは、りこうでずるいから、をつけなければならない。」と、ごろからいていましたから、ねずみは注意ちゅういおこたりませんでした。
ねずみとバケツの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「さあ、たら、そこへちらかしておかずにバスケットのなかれておいてくださいね。」と、おかあさんは、注意ちゅういなさいました。
古いてさげかご (新字新仮名) / 小川未明(著)
このさむあさ、そんなにはやくからきるものはないだろう。みんなとこなかに、もぐりんでいて、そんな汽笛きてきおと注意ちゅういをするものはない。
ある夜の星たちの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大河おおかわにかかっている鉄橋てっきょうもとがくされていたのをこのごろ発見はっけんした。しろかげ線路せんろうえあるいていたのは、それを注意ちゅういするためだった。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このごろ、をかいてみたいというがおこったので、こうしているも、ものものとの関係かんけいや、光線こうせん色彩しきさいなどを、注意ちゅういするようになりました。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ちょうさん、あなたのきれいなはねをおをつけなさい。ほそいとにかかりますよ。」と、はなは、ちょうに注意ちゅういをしました。
くもと草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
くろ頭巾ずきんをかぶったおばあさんが、みかんをむいてべながらいいました。年子としこは、はなしかけられて、はじめて注意ちゅういしておばあさんをました。
青い星の国へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、あくるおくさまに注意ちゅういされたので、いよいよ、もう、この湯沸ゆわかしともおわかれだとおもって、それをって、ごみばこのところへまいりました。
人間と湯沸かし (新字新仮名) / 小川未明(著)
バケツのなかには、多分たぶんみずがはいっているだろう……かれは、注意ちゅういをして、バケツのふちがって、なかをのぞいてみました。
ねずみとバケツの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いいんですね。まえをきましたか。今年ことしから二年生ねんせいですよ。」と、おかあさんが注意ちゅういをなさいますと、しょうちゃんは
ボールの行方 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「たしかに危険きけんで、注意ちゅういしなければならぬことだった。それをどうして、なんともせずに、ほうってきたのだろうか。」
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
眼鏡めがねをかけて、いつもむずかしいかおつきをしている叔父おじさんは、これまで、ぼくにたいして、何事なにごとにも、あまり注意ちゅういをしてくれなかったものです。
世の中のために (新字新仮名) / 小川未明(著)
よく、このいえ女房にょうぼうにも、子供こどもをしからないように、注意ちゅういしますし、みんなが、いい生活せいかつをするように、わたしちからで、できるかぎりこころがけさせます。
いいおじいさんの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)