首斬くびき)” の例文
憲兵、その他の雇いたち、それにおそらくは、私はこう言うことをはばかりませんが、首斬くびきり人の群れさえも従えております。
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
そうして、この蜒々えんえんとした武装の行列は、三つの山を昇り、四つの谷に降り、野を越え、森をつききって行ったその日の中に、二人の奴国の偵察兵を捕えて首斬くびきった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
りやう以上いじやう盜賊たうぞくでなくても、くびつながらなかつた。死刑しけい連日れんじつおこなはれた。れが月番つきばんときは、江戸えどなら淺右衞門あさゑもんともいふべき首斬くびきやくやいばに、らぬとてはなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ひげの中から顔が出ていてその半面をカンテラが照らす。照らされた部分が泥だらけの人参にんじんのような色に見える。「こう毎日のように舟から送って来ては、首斬くびきり役も繁昌はんじょうだのう」
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
浜松はままつ城下じょうかから、三方みかたはらをとおっていった裸馬はだかうまには、まだおさない公達きんだちと、僧形そうぎょうの者と六のすがたがくくりつけられて、この刑場けいじょうへ運ばれてきたから、もうほどなく、首斬くびきりの役人が
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
裏書きするものです。ですから裁判所は、この面からも無用なわけですね。ただ一人の首斬くびきり人がいれば裁判所全体のかわりをすることでしょうよ
審判 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)
首斬くびき手桶ておけ
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)