願掛がんがけ)” の例文
酒は謹まなけりゃならんから止せと、親にも云われて、弁天様へ願掛がんがけをして酒を断ちましたが、さてこうなるとまた飲みたいものと見えます。
または寺の多い裏町の角なぞに立っている小さなほこらやまたあまざらしのままなる石地蔵いしじぞうには今もって必ず願掛がんがけ絵馬えまや奉納の手拭てぬぐい、或時は線香なぞが上げてある。
重二郎と言いかわせましたのは、悪縁で、おいさは何うかおっかさんの眼がなおればいゝがと、薬師様へ願掛がんがけをして居ります。
作「えゝごく柔和おとなしい人で、墓参はかめえりばかりして居てね、身体がわりいから墓参りして、なんでも無縁様の墓ア磨けば幻術が使えるとか何とか云ってね、願掛がんがけえして」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それに願掛がんがけが利くだねえ、亭主が道楽ぶって他の女にはまってうちけえらぬ時は、女房が心配しんぺえして、何うか手の切れる様にねげえますと願掛すると利くてえ、妙なもので
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と神様や仏様に無理な願掛がんがけをなさるも、お前が可愛いからで、親の心子知らずと云うのはお前の事で、さア今日は新吉とフッヽリ縁を切ります諦めますとお前が云えば
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もっとも小さい時に分れたのでございますから、途中で会っても顔は知れませんけれども、何卒どうぞして生きて居るなら、その兄に会いたいと思いまして弁天様へ願掛がんがけを致して居りますけれども
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
文「お前さんは此の雪の中を何の願掛がんがけくのだえ、よく/\の事だろうね」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
歩く方が心持がいから、却って旅なぞをいたす方が病気も早く癒るであろうと云うので、不動さまへお願掛がんがけをしたことも有るから、お礼まいりかた/″\往って、帰路かえりに中矢切へ廻って
これまで信心をして、何卒どうぞ御無事でお父様がお帰り遊ばすようにと、無理な願掛がんがけを致しましたが、一目お目に懸らずに死にまするのは誠に残念でございます、私の無い跡では猶更身寄頼りの無い弟
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)