頭髪おぐし)” の例文
旧字:頭髮
それは現世げんせですることで、こちらの世界せかいでは、そなたもとおり、衣服きものがえにも、頭髪おぐし手入ていれにも、すこしも人手ひとでらぬではないか。
又「へえー左様でげすかえ、貴方あなたは其の頭髪おぐしがだん/\延びますけれども、元御出家様で是からだん/\おはやしなさるのではないかと存じまして」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
折ふし霜月しもつきの雨のビショビショ降る夜をおかしていらしったものだから、見事な頭髪おぐしからは冷たいしずくしたたっていて、気遣きづかわしげなお眼は、涙にうるんでいました。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
男の頭髪おぐしと女の頭髪おぐし、色を変えるに致しましても、いささか薬剤が違います。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
頭髪おぐしあたま頂辺てっぺんつくったもので、ここにも古代こだいらしいにおい充分じゅうぶんただよってりました。
富「へえおわこうげすね、御気力がおたしかだからお若く見える、頭髪おぐし光沢つやし、立派な惜しい先生だ、此方こちらに置くのは惜しい、江戸へ入らっしゃれば諸侯方が抱えます立派なお身の上」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
頭髪かみのけから変えることに致しましょう。よい頭髪おぐしでございますこと」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)